Romberg 試験のカタカナ表記はロンベルグそれともロンベルク?

Romberg 試験(Romberg 徴候)のカタカナ表記の謎についてです。

ロンベルクとしている文献1,2,3)とロンベルグとしている文献4,5,6,7)があります。
語尾が違います。
Romberg の語尾は「g」なのですから,「グ」が正しくて,「ク」は間違っているのではと思っていましたが,どうも違うようです。

この試験はドイツの神経内科医 Moritz Heinrich Romberg(1795-1873)が提唱したものです。
ドイツの方の名前ですから,ドイツ語読みをするのが自然かと思います。
ドイツ語では語末の「g」は「k」の音になるそうです。
ですので,Romberg の最後の音は「k」になるはずです。
そうであれば,カタカナ表記はロンベルクとするのが自然だと思います。

私はドイツ語を全く学んだことがなく,ドイツ語の文法書などの信頼できる情報源は確認できていません。
ですが,ウィキペディア(Wikipedia)でドイツの都市 Hamburg の表記について書かれているのを見つけました。

「ハンブルグ」と慣例的に表記されることもあるが、ドイツ語の発音ではこの語尾の “g” は無声音であるため、仮名転写は「ハンブルク」となる。

また,同じくウィキペディア(Wikipedia)で,ドイツ人のチェリスト Bernhard Heinrich Romberg のカタカナ表記はロンベルクとなっていました。

Romberg のドイツ語読みのカタカナ表記はロンベルクでよさそうです。

では「ロンベルグ」と最後の音を濁音で表記するのは間違いなのでしょうか?
Romberg を英語の辞書で確認すると,発音記号は「g」です。
英語の Romberg をカタカナ表記するのであればロンベルグが自然です。

どちらでもいいということにしておきましょう。
学会等での取り決めがあるのかもしれませんが,調べていません。
私はロンベルクと表記しています。

Trendelenburg も同じだと思います。

Romberg 試験の方法については別の記事でまとめています。

スポンサーリンク

参考文献

1)田崎義昭, 斎藤佳雄: ベッドサイドの神経の診かた(改訂18版). 南山堂, 2020, pp62.
2)中村隆一, 齋藤宏, 他: 基礎運動学(第6版補訂). 医歯薬出版, 2013, pp373.
3)田中亮: 協調性検査, 15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト 理学療法評価学 I. 石川朗(編), 中山書店, 2013, pp135-144.
4)上田敏, 大川弥生他(編). リハビリテーション医学大辞典. 医歯薬出版, 2002, pp629.
5)後藤稠(編): 最新医学大辞典(第1版). 医歯薬出版, 1994, pp1526.
6)ドーランド医学大辞典編集委員会(編): 第28版ドーランド図説医学大辞典. 廣川書店, 1998.
7)米田稔彦: 理学療法評価で用いる特殊検査・冠テストおよび主な徴候, 標準理学療法学 専門分野 理学療法評価学第2版. 内山靖(編), 医学書院, 2006, pp196-207.

2021 年 1 月 1 日
2018 年 11 月 30 日
2018 年 11 月 26 日

コメント

タイトルとURLをコピーしました